ソニー(株)で働いていた時代は、古き良きソニーの社風のお陰で進んで色々な新しいプロジェクトに参加させて頂いた。言いだしっぺが事を起こすという社風で「おれが、おれが・・・」の勢いで出る杭になろうとした時代であった。
でも、
起業家に成れるとはこれぽっちも思っていなかった!・・というか、自信もなかった。
1997年に趣味で始めたメルマガで小遣い稼ぎが出来ることを発見した。会社からの給与以外にお金を稼いだことがなかった自分であったので何とも言えない「幸せ感」と「自分への自信」を味わった。
インターネットビジネスが世間を騒がしていた時期であったため、ソニー社内でもインターネットビジネスで社内ベンチャーを起こしたい人はこの指とまれ!が始まった。
■無料メルマガサイトPubzineビジネス
私は、趣味で儲けたメルマガビジネスの経験をベースにソニー版無料メルマガサイトPubzineビジネスを提案し船出をした。先行する無料メルマガサイトを後追いする感じであったが、ビジネスモデルが違っていた。メルマガへの広告掲載ビジネスモデルではなく、法人向けのメール配信代行Zinekerサービスをビジネスモデルとした。それを秘めて無料メルマガPubzineサイトを立ち上げたのだ。
その当時、法人向けのメール配信代行サービスは数えられるぐらいしかなかった。このビジネスモデルを考え付いたのは、自分自身が自由に使えるメール配信システムが欲しかったためだ。そんなニーズがもっとあると思っていたのでやってみた。
3年で黒字を計上した。このビジネスモデルは、上手く立ち上がってくれた。
人生の転機は、自分への自信が構築され、熱い情熱になってエネルギーを発し始めた時に転機の序曲が始まる。
「俺にも新しいビジネスが作れるんだ!」
この自信が、次のステップに進むエネルギーになる。
■独立するための商材探し
Yahoo! JAPANに転職してもメルマガを発行し続けていた。自分のホームページでHTMLタグを学びながら相当無駄な時間をかけて作っていた。とてもホームページの専門家のようなサイトは作れない事を悟った。
世の中には、もっと簡単に専門家と同等のサイトを作れるツールがあるはずだと勝手に思いながら海外のサイトを探し始めた。探索の過程でオープンソースCMS Joomla(ジュームラ)というコンテンツ・マネジメント・システムを見つけた。
日本語の情報があるはずだと思い、探した。活動しているのかどうか分からないJoomla!じゃぱんのユーザーサイトを見けた。フォーラムで分からないことを色々質問したが何の回答もなかった。
どうしようもなく、Joomla.orgのサイトでJoomla CMSについて自己学習を始めた。試行錯誤の連続でJoomlaサイトを作っては潰す毎日であった。
でも、
このホームページシステムは、HTMLタグなどの専門知識を有していない人でもサイト構築のやり方さえマスターすれば一般のホームページ以上の満足感を与えてくれるという事を発見した。
Joomla CMSホームページシステムのお陰ですごく快適に私のメールマーケティングの情報発信が出来るようになった。色々な機能が直ぐに使える仕組みになっていたので使えば使うほど新しい発見と面白さを体験できたのだ。
1年6ヶ月ぐらいJoomla CMSを勉強していた。一人で。
世界では、人気があるオープンソースCMSであったが日本ではオタクのエンジニアが玩具にしていただけだった。私は、それがもったいないと思い、これを私の商材にしようと検討していた。
Yahoo!JAPANに転職した時点で独立を意識していた。そのための商材が幸運にも趣味で始めたメルマガ、メールマーケティングのサイトから生まれてきた。人生の転機は、こんなところから生まれた。
■独立するには勇気が必要だ!
この不景気で大手企業は、リストラで人件費削減を行っている。この会社で働けば定年退職まで安心して食べて生きると信じてきた会社員がリストラという刀で切りつけられ始めている。
事業再建中のJALの会社員は、まさにこの渦中にいる。
ただ、ラッキーなのは中小企業と違って早期退職の手当が凄く優遇されている点だ。しばらくは、働かなくても生きていけるのではないか。
とはいえ、平均寿命が長くなっているのでセカンドキャリアを自分で見つける必要がある。夢がある会社員は、その夢を実現させるために何をしたら良いかを追求すれば良い。寄らば大樹の影で生活してきた会社員は、絶壁に立たされた状態に追いやられる。
何をしたらこの絶壁から逃れられるのか。頭が真っ白になって・・・・何も思いつかない。
将来への不安。否定された自分の存在感。精神的なダメージは大きい。こんな状態になる会社員は、これからますます増えていくだろう。
安易に他人に頼れない時代が今到来している。この状態から脱するには、2つのオプションがある。
1.自分でビジネスを起こす。
2.転職先を探し続ける。
どちらも簡単ではない!
一つ共通していることは、「あきらめないことと勇気だ!」
新しい事をやるには、勇気が必要だ。その勇気は、ピンチになったときに自然と生まれてくる。選択する勇気だからだ。一度選択してしまえば、選択したことをあきらめないでアクションを取り続けるだけだ。途中下車は出来ない。途中下車をしたら、今までの苦労が無駄になる。
■あなた一人だけが生きているのではない!
私は、55歳で独立できるように準備をしていた。実際、51歳で独立してしまった。起業家の多くは、自分が計画したタイミングに起業できていないという。
つまり、
十分な準備なしで独立を選択してしまったのだ。タイミングは、自分がチャンスと思ったときが一番のタイミングだと思う。本人の第六感と言うものだろうか。自分を信じ、自分の道を自分の足で歩き出すタイミングである。
最初の一歩は、不安という親友が邪魔をするがそれを乗り越えて一歩を踏み出すと不安という親友は、あなたの守護人となる。不安という親友は、悪い親友ではない。むしろ、あなたの人生をより良いものにしてくれる親友であり、守護人でもある。いつも、あなたと一緒にいてくれるからだ。
起業すると「自分は生かせれている」という事を誰もが感じ取る。会社員時代の時は、こんな感じを味わうことはない。同時にこの社会で生きて行くには、多くの人につながりながら、依存しながら生きて行かざるを得ない事を自然と悟る。