昨日、スターバックスでコーヒーを飲んでいたら横の席である営業会社の採用担当者が面接相手の現役営業マンと話をしていた。応募者は、その営業会社の社長の紹介で採用担当者と面接をしていたようだ。
どうも、応募者は、現在の営業会社では自分の生き方が出来ないと思っているらしい。そのひとつの理由が、最近、フルコミッション制の営業体制になったため不安を感じているような印象であった。
採用担当者は、実は、当社も最近フルコミッション制の営業体制に成ったのですよと伝えていた。ただ、会社から営業成績が悪い社員を強制的にやめさせないというルールがあると。
応募者は、この現実をどの様に受け止めていたのだろうか。フルコミッション制の会社から逃れてもっと安定した固定給の営業職として転職を検討していた矢先であったのだろう。
フルコミッション制の営業会社は、それぞれの事情でその体制になったのだと思う。経営者の立場から売上に貢献できない営業マンは、戦力ではないからだ。営業マンを入れ替えて売上に貢献できる営業マンを維持したいという本音がある。
しかし、
優秀な営業マン、売上を立てられる営業マンはそんな会社にやって来ない。どの会社も優秀な営業マンを厚遇しているからだ。手放さいないように色々と餌を用意している。
さて、フルコミッション制の営業職は、普通の営業マンに取って地獄である。毎月の売上を建てない限り自分の生活費が入ってこないのだからだ。この状態は、独立した営業マンと同じである。フルコミッション制の会社で生活ができる営業マンであれば、自分で営業会社を設立して生活が出来る。
だから、
優秀な営業マンでフルコミッション制の組織で生きてきた人ほど独立して営業代行会社を設立する。その結果、営業マンの転職市場で出回る営業マンは、優秀とは言えない普通の営業マンが多い。普通の営業マンは、フルコミッション制で生きていくには難しい局面がある。
経営者の立場から言えば、フルコミッション制の営業マンを雇ったほうがコストを節約できるし、売上にプラスだからだ。絶えず、新しい営業マンを雇って誰かがヒットすれば良い。営業マンは、使い捨ての論理でフルコミッション制が成り立っている。
フルコミッション制の旨みを享受できる営業マンは、優秀な営業マンだけである。
スターバックスで採用面接をしている二人の話を聞いてこの会社、本当に大丈夫かな?と思わざるを得なかった。人材を育てて帰属意識を根付かせないと優秀な営業マンは飛び立ってしまうからだ。