筋トレを始めれば失われて行く体の筋肉を止め、強化できる。70歳を過ぎると足腰の筋力が衰えて来るのを肌で感じるようになる。筋トレは健康維持に貢献する。それは確かである。問題は筋トレを近くのスポーツジムで始めても続かないことである。その理由の一つは筋トレ効果を感じないという理由がある。
高齢者の筋肉は毎年1%づつ気が付かないうちに体から失われて行く。少しづつ減って行くため自覚できない。自覚できる頃には大部分の筋肉を失って歩行障害を起こし始める。それに気づき始めたシニアがスポーツジムに通い始める。
多くのシニアは筋トレを始めればその効果が直ぐに体で感じ始めると期待する。現実は最低半年から1年かかる。筋肉は急に増えない。筋肉の増え方は既存の筋肉を筋トレで傷つけて、その回復で筋肉を増やす。地道な努力が求められる。筋肉が生まれ変わる期間が約2か月から3か月。その時に筋肉が増強して行く。
筋トレ効果が出ないと言って筋トレを辞めるシニアは3つの理由を知る必要がある。
目次
シニアの筋トレ効果を出すには
筋肉の新陳代謝は2ヶ月単位で起こり、身体は約3ヶ月と言われる。筋トレを最低でも2ヶ月以上続けないと筋肉の新陳代謝に変化は起きない。筋トレは週2回程度で筋トレ日の間に2日間の休息日を入れる必要がある。
シニアは若者と違って筋肉の増強で時間がかかる。新陳代謝の速度が遅くなっている。その意味合いで筋トレを若者以上に長期間続けないと体に筋トレ効果が現れて来ない。老化と戦いながら筋肉を強化することになる。
筋トレを続ける期間(年単位で効果を考えていない)
筋肉は2ヶ月単位で新陳代謝を繰り返す。筋トレをやりながら筋肉の材料であるタンパク質の多い食事を続けていれば、ちょっとづつ筋肉量が増えて行く。ただ、見た目には分からない程度である。お風呂に入る前に鏡に写った体を見て筋肉が増えたと感じれば良いのだが、数ヶ月単位では無理。
筋肉量を増やすには条件がある。
・筋トレの継続
・タンパク質の多い食事
・十分な睡眠
この3つの条件を満たしながら最低でも1年間は様子を見る必要がある。筋トレ効果は筋トレを継続的に続けなければ表面化しない。シニアの筋トレは長期間やらないと体にその効果が出てこない。68歳の私の体は年単位で変化が起きている。
最近の変化はスクワットとヒップリフト運動を半年以上続けてお尻と足の付根にある脂肪が取れてきた。お尻の輪郭がよりはっきり見えてきている。お尻の筋肉が増えたという感じはないが、足やヒップの余分な脂肪が消えてきたことは分かる。
筋トレをする時間が短い(運動するよりも休む時間が長い)
筋トレに体が慣れていないと体が疲れやすい。特にパワーを使うスクワットやベンチプレスなどをやるとセットの間に5分ぐらい休むことがある。シニアは体が筋トレに付いて来ていないため休む時間が長くなる。
私は首の血管に指を当てて脈拍を数える。10秒間に何回脈拍があるかを数えて6倍すると1分間の脈拍数が出る。脈拍が100以下になって呼吸が落ち着くまで休むことにしている。一つの筋トレメニューを終えてから次のメニューに取り掛かるまでの間を休み過ぎると筋肉を刺激する時間が少なくなる。時間の経過で疲れが体に出やすくなり、筋トレを続ける意欲も減退する。
休む時間は脈拍数と呼吸の落ち着きで判断すると良い。シニアの体は無理ができない。若者と同じようなやり方は出来ない。
負荷加減が曖昧(負荷設定を知らない)
スポーツジムでトレーナーが筋トレメニューを作ってくれれば、それ従って筋トレをすれば良い。自分にあった筋トレメニューが無いシニアは自我流になる。スポーツジムにある運動器具・機械やトレッドミルなどを使って筋トレをやるのだが、負荷設定で問題がある。
筋力をアップするには最大筋力の60%以上の強度が効果的と言われる。ベンチプレスの重量を設定する時を例にするならば、10回続けて挙げられる重さを基準にする。10回以上出来るようになったら重量を少しづつ増やす。
筋トレをする時は事前に決めた筋トレメニューを定期的にやらないと効果は出難い。毎回違った筋トレメニューをやると筋肉に定期的な負荷が伝わらない。上半身の筋肉を鍛えるメニュー、下半身のメニュー、心肺強化のメニュー、体幹を鍛えるメニューなどを決めておいて同じメニューを繰り返し行う必要がある。
お勧めはスポーツジムのスタッフやトレーナーに自分専用のトレーニングメニューを作ってもらうことである。そのメニューを1年間続けてみると良い。
筋トレの記録を取ることで筋トレ効果が分かる
筋トレの効果をできるだけ早く知るには手帳に記録を取ることである。私の場合は、こんな感じに筋トレメニューを書いてセット数と回数をメモして行く。
1セット 2セット 3セット
筋トレメニュー 回数 回数 回数
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1.ジャンプ
2.パイクプレス
3.ランジ
4.バービー
5.ベンチプレス ?キロ
6.スクワット ?キロ
7.懸垂
毎回同じメニューをこなして行く。1セット10回を目標にする。3か月後に回数がどのように変化しているかを確認する。筋力の変化は回数と重量に出る。半年から1年間やってみて筋トレメニューの見直しをする。メニューを減らしたり、追加したりする。最初から3セットやる必要はない。やれるまでやる。やっているうちに3セットできるようになる。
筋トレの記録は筋トレを続ける上で現状を教えてくれる。3歩進んで2歩下がりながら徐々に前進していく感じになる。
結論
スポーツジムに通っても筋トレの効果を感じられないというシニアが大勢いる。それが原因でスポーツジムを止めたり、筋トレをやらなくなったりする。筋トレの効果は直ぐには出て来ないという事実を認識してほしい。筋トレの効果は年単位で変化を見る。筋肉の肉付き、体格、脂肪の減少、体重の減少、持久力などで変化がある。
ただし、筋トレのやり方で問題があると効果は出難い。スポーツジムに通っても効果を体験できないというシニアには筋トレをする時間が少ない。10分やって30分休む。筋トレをしないで仲間と無駄話。スポーツジムに行っても筋トレを十分しないという原因がある。
筋トレの負荷加減を曖昧にして自分の都合の良い程度でやり続ける。筋力をアップするには最大筋力の60%以上の強度が効果的とされている。最大筋力とは1回出来る負荷を指す。回数で考えると10回続けて出来る負荷が最適となる。負荷設定を間違って筋トレすると現状維持程度の効果しか現れない。
筋トレ効果を知るには3ヶ月単位で筋トレメニューで設定した回数、セット数、重量などの変化を見ることである。それを可能にするには筋トレの記録を手帳に毎回記載することである。ベンチプレスの重量を30キロ、1セット10回でやり始めて3か月後には重量が40キロになっていたと気が付く。体型は変わらないが、重量や回数の変化で効果が分かる。